学園祭のクラス企画での、劇の配役を懸けたとは知らず、卓球勝負で戸丸良武(恭平)に完敗した蓮川一也(井澤勇貴)。 一也の役は、鶴の「おつう」役で、主演の上に女役だ。 早速劇の練習が始まるが、完全にセリフを棒読みの一也に呆れ顔のクラスメイトたち。
一方、池田光流(三浦力)は生徒会主催の舞台で主役をやってくれないかと、手塚忍(佐藤雄一)に頼まれていた。 一度は断った光流だったが、生徒会役員たちの熱い要望に押し切られ、仕方なく引き受けてしまう。 その頃、六条倫子(小橋めぐみ)はある女に電話をかけていた。 忍が今年の学園祭を歴史に残るようなものにしようとしていること、それにより忍の評価はますます上がるであろうことを語る倫子。 相手の女は、一体誰なのか…。
そして学園祭前日、生徒会宛に脅迫めいた謎の手紙が届く。 「明日の学園祭は大雨に見まわれる。日頃の行いを反省し即刻中止せよ」――。 性質の悪いイタズラだと、相手にしていなかった生徒会メンバーだが、生徒会室に戻って愕然とする。 黒板に手紙と全く同じ文章が書きなぐられていたのだ。 外部には漏らさぬよう、役員たちに告げる忍。
一也のクラスでも、最後の稽古に熱が入っていた。 相変わらず見るに堪えない一也の演技に、突然入ってきた物理教師がダメ出しを始めた。 どうやら「鶴の恩返し」にかなり深い想い入れがあるらしい。 夜、寮に帰ってきた一也は「女の役なんて出来るか!」と一人グチる。 無理やり押し付けられたこともあり、どうにもやる気が出ないのだ。
ついに迎えた学園祭。 寮生たちも「カフェ・グリーンウッド」を出店して大忙しだ。 メイド姿の如月瞬(鈴木拡樹)と渡辺由樹(川本稜)が花を添える。一也のクラスでも「鶴の恩返し」午前の部が始まろうとしていた。 呼び込みの甲斐あってか、客入りは立ち見が出るほどの大盛況。 それを知った一也は急に緊張してきてしまい、本番直前になって鼻血が止まらなくなってしまう。 開演時間になっても鼻血は止まらず、クラスメイトたちがやむなく中止を決意しようとしたその時、戸丸が代役を買って出た。 体育祭でチアガールをやって以来、女装はごめんだと言っていた戸丸だったが、ぶっつけ本番にも関わらず、おつう役を熱演する。
保健室で横になりながらも、舞台のことが気になる蓮川。 心配してやってきた瞬が、生徒会の出し物を見に行こうと誘う。 生徒会の舞台は「アラビアン・ナイト」で、光流は一也と同じく主演女優なのだ。 楽屋で衣装に着替えた光流の姿に惚れぼれする生徒会役員たち。 その時、廊下を通り過ぎる怪しい黒服の男の姿に気づいた忍は、廊下に出て周囲を見回し、不自然に置かれた脚立を発見する。 天井に目をやると、そこにはスプリンクラーの横に設置された時限発火装置が!! 脅迫文にあった「大雨」とはこのことだったのだ。 駆けつけた一也と瞬も見守る中、懐からニッパーを取り出し、無事同線を切る忍。 しかし仕掛けられた装置はこれ一つではなく、設定時間まではあと10分しかない。 忍は生徒会を総動員し、装置の撤去に全力であたる。 一也、瞬、光流も協力し、女装したまま学校中を駆け回る!
一也たちの活躍によって全ての発火装置は撤去され、生徒会は無事に舞台の本番を迎えた。
皆で一つのことを成し遂げる達成感を知った一也は、午後の部に気合十分で臨み、見事におつうを演じきる。 観客の拍手とクラスメイトたちの笑顔に包まれる一也。
生徒会の舞台の後、体育準備室で眠ってしまっていたところを忍に起こされた光流は 「これで貸し借りチャラになっちまったな」と言って部屋を出ていく。 それを聞いて忍は呟く。 「これしきの事が貸しのうちに入るかよ…。まったく、借りばかりたまっていくな――」
その翌日。 緑林寮の光流と忍の部屋では、寮生数名が集まってトランプに興じていた。 そんな中、光流が珍しく奢ってくれると言い出し大喜びの一同。 瞬も一緒についていくという。 ところがその帰り道、突然光流と瞬の前に高級車が止まり、中から黒服の男たちが現われて…。
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