緑林寮に入って二度目の春を迎えた一也(井澤勇貴)。 古沢(長尾浩志)ら卒業生を送り出し、寂しさを感じたのもつかの間、一也には新たな試練が待ち受けていた。 前寮長・光流(三浦力)の指名により、一也は緑林寮の新寮長に就任したのだ。 陰謀だ!と叫ぶ一也に構わず、新入生入寮の為に必要な書類の山を次々と渡す光流と忍(佐藤雄一)。 さらに新寮長は、寮の伝統行事として、新入生を迎えての最初の集会で一曲披露することになっている、と光流に告げられ、さらに重い気持ちになる一也。
新入生入寮一日目。 続々とやって来る一年生達に、どう接したらいいかわからず戸惑う一也。 その夜、どうして俺が寮長なんだ…と呟く一也に、瞬(鈴木拡樹)は、光流先輩はああ見えてすかちゃんの事買ってるんだよ、と励ます。
入寮日も二日目となり、ほとんどの一年生が入寮の手続きを終えた頃、ひと際目立つ一年生が受付にやってきた。 シンガポールからの留学生、フレッド・セレネ(伯丞匠耶)だ。 そして入寮時間ももう終わりという所で、最後のひとり、関西人の野山知道(春原陽)が駆け込んできた。 が、野山の着衣は乱れ、所々破れたり汚れたりしていてボロボロの状態だ。 駅でインネンをつけられたという野山に、一也はケガは無いかと問う。 それに対し、自分は無事だが相手は知らん、と返す野山の強烈なキャラにしばし圧倒される寮生たち。
その夜、新入生を集めての集会が行なわれ、寮生活における諸注意と、新寮長の紹介が行なわれた。 光流の紹介を受けて、覚悟を決め歌を披露する一也。 新入生は手拍子を付け一也の歌に聴き入るが、二・三年生はなぜか必死に笑いをこらえている。 一曲歌い上げ、お辞儀する一也に寮生達は拍手喝采。 するとそこへ、光流が目に涙を浮かべて笑いながら一也に近づきこう言い放った。 「やっぱおもしれえから『来年から』恒例にしようぜ!」 大爆笑する二・三年生たち。 しばし固まっていた一也だったが、隣に視線を移すと、そこにはいたずらっぽい笑みを浮かべた光流がいて…。 またしてもはめられた事を知り、一気に頭に血が上った一也は、昨年の春と同じく、勢いよく光流を殴り飛ばす。 そしてそのまま食堂を後にすると、211号室に駆け込み、同じ勢いで忍をも殴り飛ばした。 今回の賭けで得た配当金を没収された寮生達は一斉にブーイングするが、一也は彼らをひと睨みし、一瞬のうちに黙らせる。 こうして一也の新寮長生活は幕を開けたのだった。
新学期も始まり間もない頃、一也は野山から古典教師の立山君子(三谷悦代)についての不満を聞かされる。 野山は立山先生の厳しすぎる授業方針に反発し、授業中に意見したのだという。 もちろん立山先生に敵うはずもなく、その日は廊下で正座させられたとの事。 しかしその後も野山は反発を続け、立山先生の授業を一回サボったらしい。 三回サボったら留年がほぼ決定だ。 野山を心配する一也だが、寮長だからといって成績の心配までする必要はない、と周りは気に留めていない様子。
その翌日、野山が立山先生の授業を再びサボったと聞き、注意する一也。 だが野山は一度決めたことは貫く性質らしく、相変わらず立山先生に対して強気な態度だ。 一也と別れ、階段を上る野山。 すると階上から女性ものの靴が落ちてきた。 顔を上げると、踊り場から少し上がった所で、立山先生が苦しげに息を荒げ、胸を抑えたまま倒れていた。 驚いた野山は、慌てて立山先生に駆け寄り、声をかける。 間もなく救急車が到着し、大事には至らず済んだが、救急車に同乗した蓮川一弘(大口兼悟)は、立山先生は緑都学園には必要な人だから、まだまだ頑張って下さいよ、と激励する。
翌日の古典の授業で、さすがに今日は自習だろうと生徒達がタカをくくる中、立山先生が何事もなかったかのように授業に現れた。 心配する生徒に一言、問題ないと告げ、いつも通り出席を取り始める。 野山の姿は相変わらず無い。
結局3回授業をサボった野山は、親に連絡が行き散々な目に合う。 倒れた翌日にまで授業に来るとは思わなかった、とボヤく野山に、光流や忍は、立山先生は信念の強い人だから、と告げる。 その言葉に、光流たちをはじめ寮生たちが、みんな立山先生のことが好きだという事実に気付いた野山は、一人でいきがっていた事が急に馬鹿らしく思えてきた。 そんな野山に声をかけようとした光流を遮るような形で、一也が野山に寮長として注意する。 照れながらも、寮長からの忠告を胸に受け止める野山だった。
その後、光流と忍の所持金が総額132円しかない事を知った一也は、寮内放送で寮生全員にその事実を伝える。 その結果、寮生全員が2人に見つからないよう財布を隠すという事態に。 一也の成長っぷりに思わず苦笑いする光流と忍。 一方、してやったり!とばかりに胸を躍らせる一也だったが、玄関の方が何やら騒がしいのに気付く。 見ると、寮母さんが女子高生らしき女の子を追い返そうとしていた。 どうやら光流に用があるらしい。 その姿を目に留めるなり、「五十嵐!」と叫んで彼女を外に引っ張っていく光流。 あっけに取られ、見送る寮生たちだったが、一也は、光流を見た時の彼女の表情がなぜか心に引っかかって…。
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